取扱業務 企業法務

第三者委員会の取扱いケース

1 病院を併設する教職員約4000人の学校法人

不祥事の内容

@当該法人が設置する病院の院長が主導した診療報酬の不正請求問題。先行して行われていた内部の調査が存在したが、内部通報や当該院長による無断記者会見等により状況が混乱していた。
A主任教授による論文の不正投稿(二重投稿等)問題(@とは別の時期に発生/発覚した問題)

当事務所の関与

@当該法人内部監査室と共同で関係者のヒアリングを行う等事実関係を調査し、最終的な報告書を提出した。
A当該法人内に設置された教職員の賞罰を決定する委員会に出席して、上記調査結果を報告し、委員からの質問に回答する等、懲戒処分の決定手続きの適正を確保した。

2 資本金75億円、従業員約600人の食品素材メーカーである株式会社

不祥事の内容

当該企業では、株主総会・取締役会が開催されず、大会社にも関わらず会計監査人が設置されることもないまま、社長・専務による独断的な経営が行われてきた。彼らの独断で本業と関連性の薄い分野であっても多額の投資が行われ、回収計画は不備であった。借入金は増大していった。社長親族の資産管理会社等に対し、仮払金、貸付金、役員報酬等の名目を使うなどして多額の資金を流出させ、回収はしていなかった。銀行の指摘による借入金額の不整合が、長期間に渡る様々な問題を発覚させた。

当事務所の関与

@当該会社の放漫経営、役員・その親族・資産管理会社への資金流出状況・残存資産の状況、不適切な会計処理についての分析、役員の民事上・刑事上の責任についての報告を提出。
A報告書の作成にあたっては、5か月にわたり延べ19名にヒアリングをする他、膨大な資料を精査し、放漫経営については各経営・投資判断の是非、資金流出については仮払金、貸付金、役員報酬等の名目を使った資金の流れと流出先の資産状況、業務委託契約等の実体の有無、高額な役員報酬の支払・資産譲渡の対価の妥当性、不適切な会計処理については、その解明と各役員の関与の有無、違法配当・違法な役員賞与支給・不必要な租税支払の有無について調査した。その上で、取締役、監査役の民事上の責任については利益相反取引、善管注意義務・忠実義務違反の有無を、刑事上の責任については、違法配当罪、資金流出や違法な役員賞与の支給についての特別背任罪の成否を検討した。

3 東証JASDAQ上場、従業員1500人の小売業を営む株式会社

不祥事の内容

@取引先からのリベートを過大に計上した結果、未収入金が増大し取締役が自ら穴埋めを行ったこと、これらにより会社において粉飾決算が行われていることなどが、会計監査人に対する告発文書で明らかになった。
A販売の現場から、一部の商品について消費期限に関する社内基準違反を行っているとの報告が上がり、食品の不適切表示が判明した。

当事務所の関与

@について、(ア)初動としての社内調査の陣頭指揮をとり、8名から事情を聴取し、早急に問題の概要と外延を確定した。(イ)第三者委員会の調査報告書を踏まえた記者会見、役員の去就、従業員の懲戒等について助言を行った。(ウ)コンプライアンス委員会の委員長等の立場で組織改革、社内規程見直し、内部通報制度活性化等の再発防止策を策定・実施した。
Aについて、(ア)社内調査の陣頭指揮をとり、多数の関係者から事情聴取を行うとともに、リリースの時期・内容、従業員の懲戒等について助言した。(イ)食品に関するマニュアル改訂等の再発防止策策定に関与した。

4 東証一部、従業員13,000人(連結)の運送業/流通/観光等を営む株式会社

不祥事の内容

複数年にわたる継続的な有価証券報告書の虚偽記載

当事務所の関与

@第三者委員会による報告書受領後、業務改善案の策定に関わり、証券取引所宛に提出する改善報告書作成に携わった。
A当事務所では、証券取引所宛に提出した改善報告書に基づき、委員会を設置し当事務所所属弁護士が委員長に就任した。当該委員会では、継続的に、社内のコンプライアンス体制の充実、普及に関する報告を受け、コンプライアンスアンケートを実施しその分析を行うなど、多方面から指導・助言を行った。

5 年商約3200億円の外資系大手製薬会社

不祥事の内容

当該企業の複数のMR(医薬情報担当者)が医師主導型臨床研究に関与したのではないかというマスコミ報道がなされた。事実の解明のために先行して内部調査が行われたが、企業としての信頼回復を目的として第三者委員会を設置し、事件の全容を明らかにすることになった。

当事務所の関与

当該企業から、医師主導型臨床研究に関する当該企業の関与の実態解明および再発防止策の提言の依頼を受け当事務所の弁護士である原田委員長の下、2か月弱の間に当事務所の28名の弁護士が調査補助者として関与した。
具体的には、当該企業から開示された書類および電子データを精査し、当該企業の役職員および関連のあった医師合計30名以上から事情聴取を行い、これに加え一般に入手可能な公開情報を入手し、それらを相互に照合して調査を実施し、会社提出の報告書および公表用報告書を作成、提出した。
また、第三者委員会による記者会見も当事務所が手配した。
報告書においては、臨床研究実施に際して行われた問題行為及び当該企業が遵守すべきルールを指摘した上で、ルール違反の有無を判断し、関係役職者の認識と責任について記述した。また、問題行為を発生させた背景を踏まえて、再発防止策の提言も行った。